銀河鉄道999

 2008年5月

 

珍しく作品中で鉄道を効果的に使用している漫画作品である999。

この列車を鉄道マニア的に勝手に分析し、適当な意見を書いて見ようかと思います。

とはいえ、私は79年と81年の劇場版をLDで所有しているだけなので、

TVアニメ版やその後の映画などはあまり詳しくありません。

なので、あくまでもメインは劇場版2作で分析して見ようと思います。

 

機関車について

まずは機関車からいってみましょう。

牽引機は旅客機では最大最強といわれるC62形蒸気機関車。

映画版ではC62形48号機を使用しています。

TV版は50号機という設定で、49号機までしかない実車の続番になっています。

48号機は実在した機関車であり、なぜこれを使用したのか調べて見ますと、

原作者がC6248のプレートを持っていたからというのが理由のようです。

とはいえ、外見がC62というだけで中身は全くの別物。

動力源は何やら機械エネルギーを使用しているらしく、当然石炭で動いているわけではないようです。

しかし、2作目の映画では石炭のようなものを投炭して人力運転している場面があります。

テンダーは中に客車から機関車のキャブまで歩いていける通路があり、連結してどんな効果があるのかは不明です。

実車の48号機は主に常磐線で使用され、平機関区配置時は同区C62形の中でも最好調機と言われ、

20系ゆうづるの牽引が多く、華やかな活躍をした一機でもありました。

また第二先輪に特徴があり、C59戦前型の水かき付きスポーク車輪を装備していたようです。

Nゲージでの再現となると、マイクロエースが発売した「銀河鉄道999映画版」の機関車が最も近いと思われます。

 

マイクロエース  銀河鉄道999映画版  C62 48

 

客車について

続いて客車ですが、色々な種類の客車が登場していますので、

1つずつ分析して見たいと思います。

 

普通車

鉄郎とメーテルが普段乗っている車両。

2つの映画版には形式表記は一度も出てきません。

車体の構造は外見は切妻、屋根はシングルルーフ、塗装は茶色、大きな窓、木製ボックスシート、

となるとオハ61系かスハ43系だと思いますが、

乗降用ドアの窓が上下に2分割しているタイプなのでこの部分だけ見るとオハ35系原型車ともいえます。

しかしエターナルファンタジーでは機関車の次位にオハ61と表記のある客車が連結されていました。

しかも乗降扉の窓も1枚ものになっていました。

Nゲージではマイクロエースが編成で製品化していますが、機関車の次位はスハニ35、さらにスハ44が続きますが、

スハ44系のような狭窓の車両も荷物合造車も作品中に出てきません。

オハ61系はマイクロエースが完成品を、グリーンマックスが無塗装キットをそれぞれ製品化。

スハ43系はKATOとマイクロエースが完成品を、グリーンマックスが無塗装キットをそれぞれ製品化。

オハ35系はイメージに近い乗降扉2枚で丸屋根ではない仕様となると、

KATOのオハ35系戦後型茶色が完成品で製品化。

 

KATO  スハ43系

 

KATO  オハ35系

 

食堂車

映画版で鉄郎たちがビフテキを食べたりワインを飲んだりしていた車両。

何でも作れる不思議な調理器を搭載しているらしいです。

これも形式は不明ですが、シングルルーフ、切妻、茶色、大きな窓などの構造からすると

マシ35かマシ36っぽい感じがします。

どちらも外見はほぼ同じですが、マシ35は石炭レンジと氷式冷蔵庫、マシ36は電熱コンロと電気冷蔵庫を備えていて、

999のイメージ的にはマシ36に近いのかなと思います。

もしマシ35、36なら実車はテーブルが片側が2人掛けで反対側は4人掛けになっていますが、

映画版では両側とも4人掛けだったような?しかも内装は豪華な洋風になっているようです。

NゲージではKATOがマシ35完成品を模型化。

 

KATO  マシ35

 

展望車

最後尾に連結されている車両。

2作目の映画では鉄郎が999の発車時間に間に合わず、

敵の猛攻を受けながらも必死で追いかけ、辛うじて展望デッキ部分から乗り込んでいます。

そして最後には敵の攻撃により撃墜され、焼失してしまった悲しい車両。

しかし内装はかなり豪華で、おそらく一等車なのでしょう。

これも形式は不明ですが、シングルルーフで洋風の内装であるところを見ると、

おそらくマイテ49かマイテ58だろうと思われます。

Nゲージではマイクロエースの999セットではマイテ58が含まれており、これがイメージに近いと思われます。

さらに両形式ともKATOが完成品を模型化していますが、一等を示す白帯がまかれており、

作品中に登場する茶色一色のものとは違っています。

 

マイクロエース  銀河鉄道999映画版  マイテ58

 

個室車

劇場版1作目でエメラルダスが999に乗り込んできたとき、

個室の出入り扉から他の乗客が廊下に顔を出すシーンがありました。

片側通路式で扉は最低3つあり、1つめの扉から2人、2つめは3人、3つ目は2人が顔を出していたところを見ると、

2人〜4人用個室なのでしょう。

形式は不明ですが、座席のみの個室車というのは実車では聞いたことがなく、

あったとしても個室一等寝台になるわけですが、999はダブルルーフの車両はなく、

シングルルーフで4人用コンパートメントのみという車両は実車では多分ないはずで、

完全に形式は不明です。イメージに近いのはマイネ40でしょうかね。

 

特ロ車

劇場版1作目でエメラルダスと鉄郎が始めて出会った車両。

座席は一方向を向いており、リクライニングシートらしい座席が設置してあります。

よーく見るとキャラクターの立ち位置の関係から座席が11列あるようにも見えます。

そして天井には冷房装置のようなものも見えます。ちなみに5号車の札が車内に見えます。

屋根上はシングルルーフでベンチレータのみ、そして大きな窓、リクライニングシート装備となると

やはりスロ60かスロ53でしょうか。

とはいえ、どちらかに決定する材料も乏しく、シートピッチを考えるとスロ60の1250ミリに対して、

スロ53の1160ミリという観点から、ゆとりのあるスロ60かなと言う気もします。

そして本当に座席が11列なら定員が44名のスロ60になります。

12列なら定員48名のスロ53になるでしょう。

NゲージではKATOがスロ60完成品を、グリーンマックスがスロ53無塗装キットをそれぞれ発売していますが、

2等車を示す青帯は999にはありません。

 

KATO  スロ60

 

緩急車?

1作目で車掌さんが車掌室でソフトクリームを食べてながらクレアと話しているシーンがあります。

一体どの車両に車掌室が設置してあるのかはわからないのですが、

すぐ後ろがデッキになっているのは確認できました。

ただし999の車両で乗降扉と妻面の間に窓のある車両は確認できないことから、

車掌室はデッキより内側に設置してあるようです。

そして乗降扉の窓構造を考えるとこれに一致する緩急車はオハフ33原型車になると思います。

まあ丸屋根の車両は確認できないので戦後型と思いますが、切妻ではなく折妻なので微妙に違うようです。

乗降扉を無視すればスロ60−100番台だったりするかも。

 

医務室・バスルーム

2作目でメーテルが医務室に収容されているシーンがあります。

構造は片側通路式で車両の半分くらい医務室になっているようで、大きな窓があります。

また同じく2作目で鉄郎と車掌がそれぞれ風呂に入っているシーンがあります。

それもシャワーではなくバスタブがついています。

構造は片側通路式になっています。

しかもこの車両だけ白い帯が付いているのが確認できます。ということは1等車?

しかしながら実車で医務室やバスルームがあるような旧型客車はないので、完全なオリジナルですね。

風呂のある車両の形式を作るとしたらオフロ?

さらに車掌が鉄郎の服を洗濯しておきますと言っている事から、どこかに洗濯できる設備もあるようです。

なにしろ999は地球を出発してから戻ってくるまで1年かかるとのことなので、

車内で過ごすのに必要なものは全部あるみたいですね。

 

最後に

とりあえず2つの映画版で登場した車両については全部出たと思います。

基本的な999号の客車の特徴として、屋根は丸屋根ではなくシングルルーフにベンチレータ、

妻面は切妻、窓は広くウインドシル/ヘッダーが付いている、

乗降用ドアは車両の両端に付いていて、窓は上下に分割されている戦前の車両に見られる木造ドアタイプ。

しかしこれらに完全に合致する車両はなく、

999号の編成をNゲージで再現するとしたらどうなるか、

私の勝手な意見で適当に作って見ました。

ちなみに編成両数を数えて見たところ、2作目は機関車を含めないで9両でしたが、

LDのジャケットイラストでは11両、エターナルファンタジーでは12両ありました。

 

C6248−スハフ42−スハ43−スハ43−スハ43−スロ60−マシ35−スロ60(100)−スロ60−

スロ60−マイネ40−マイテ58

 

ということで出来上がったのが上記の編成。

1両目はやはり緩急車です。オハ61はいくらなんでもローカルすぎるのでせめて急行用スハ43系にしました。

999は扉の開閉も運転もすべて機関車がやっているらしいので、

緩急車は必要ないとは思いますが、一応形式的につけてみました。

そしてなぜか3等車にはいつも鉄郎とメーテルしか乗っていないので、

需要がないのかと思ったのと、たいてい2、3両目あたりに鉄郎たちが乗っているようなので

3両目までを3等車としています。

4両目のスハ43は医務室とバスルームがあるという設定です。

5号車は1作目で2等車だったのと、鉄郎が食堂車から自分の車両へ戻る途中の2等車デッキ付近で

クイーンエメラルダス号と遭遇していることから、少なくとも食堂車と3等車の間に1両は2等車が連結されているようです。

6号車は食堂車としました。

7〜9両目は2等座席車としました。7号車に専務車掌室があります。隣が食堂車なのでソフトクリームもすぐ食べれます。

2等車は1作目で登場した5号車が満席だったので割と需要があるのではないかとの予想で4両の設定です。

10両目は個室とプルマン式開放寝台のある車両です。

寝台車を連結しているという話の割にはあまり登場しないことを考えると、

1両程度しか連結していないのではないかと思いました。

個室はかなり埋まっていたので需要はありそうなんですが、

個室設定が少ないので仕方なく2等に乗客が集中しているとも考えられますね。

そして最後11両目の展望車。

マイテ49でもよさそうですが設備の整っているマイテ58としました。

これで11両編成となります。999号の場合とくに編成両数に決まりはないらしく、

編成の自由度は高いようですね。さすがは旧型客車です。

次に入手方法です。

 

C62 48・・・銀河鉄道999映画版(マイクロエース)セット品から

スハフ42・・・スハフ42茶色(KATO)単品

スハ43・・・スハ43茶色(KATO)単品

マシ35・・・特急つばめ(KATO)セット品から

スロ60・・・特急つばめ(KATO)セット品から

マイネ40・・・急行彗星(マイクロエース)セット品から

マイテ58・・・銀河鉄道999映画版(マイクロエース)セット品から

 

このままでは使えないものもあるので、加工しなければなりません。

スロ60現行品塗装はぶどう色1号になっており、このままではぶどう色2号のスハ43系と連結しても編成美が崩れます。

青帯も必要ないので塗装変更しなればなりません。

マイネ40は格下げ改造されたマロネ40として製品化されており、外観が変わってしまっています。

とはいえ個室も残っており、これで妥協できればあえて改造することもないでしょう。

ただし青帯を消去しなければなりませんので、これも塗装変更が必要です。

マイテ58はそのままでも使えますが、屋根の色が真っ黒です。

妥協できない場合は屋根だけ灰色系で塗装するしかなさそうです。

 

以上、勝手な意見を適当に書いて見た999号でした。

 

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